戸建てにおすすめの光回線はどれ？注意点や選び方のポイントも解説

光回線の戸建てプランとマンションプランの違いは？

光回線のプランは、住居の形態によって大きく2種類に分けられます。

このようにプランが分かれている理由は、通信に利用する光ファイバーケーブルの引き込み方が異なるためです。

通常、光ファイバーケーブルは電話用の配管やエアコンダクトなどを介して住居の中へ引き込まれます。ただし、建物の構造によっては壁に10mm程度の穴をあけて引き込むことも。

壁に穴をあけられると困る場合は、工事前にその旨を担当者に伝えておきましょう。

戸建てプランの概要

戸建住宅の場合、建物の近くにある電柱から光ファイバーケーブルを引っ張ってきて、住居の中へ直接引き込みます。

1つの回線を1世帯で独占して使えるため、複数人で回線をシェアするマンションプランよりも通信が安定しやすいです。一方で、月額料金はマンションプランよりも高い傾向があります。

マンションプランの概要

集合住宅の場合、建物の共用部まで引き込んだ光ファイバーケーブルを複数の住人でシェアします。

そのため、戸建てプランに比べると回線が混雑しやすく、通信の安定性も低いのがデメリットです。ただし、月額料金は戸建てプランよりも安く設定されています。

集合住宅でも戸建てプランは契約できる

通常、集合住宅にお住いの方はマンションプランを選択することになりますが、戸建てプランを契約することも不可能ではありません。

ただし、階数に制限があったり、余計な工事が必要になったりすることも。また、戸建てプランの方が月額料金も高いため、特に理由がない限り、契約はおすすめできません。

戸建てで光回線を契約するときの注意点

戸建て住宅にお住いの方が光回線を契約する際は、以下のことに注意してください。

注意点①：光回線の対応エリア

どれだけ魅力的な光回線であっても、お住いの地域が対応エリア外だった場合は契約できません。

例えばCMなどでお馴染みのNURO光の対応エリアは以下の通りです。

NURO光の対応エリア

上記以外の地域に住んでいる方は、NURO光に申し込むことができません。また、上記のエリア内であっても、全地域でNURO光を使えるわけではない点にも注意してください。

一方、フレッツ光や光コラボ系のサービスは、基本的に全国で利用できます。これは、フレッツ光の通信回線が日本全国に張りめぐらされているためです。

ただし、建物の立地条件や構造によっては、やはり契約できない場合もあります。契約手続きへ進む前に、サービスの利用可否を必ず確認しましょう。

注意点②：スマホのセット割

特定のキャリア・格安SIMと光回線をセットで契約すると、「セット割」が適用される場合があります。スマホ代もしくは光回線代が月額最大1,000円安くなることから、セット割を使える光回線に限定して契約先を探している方も少なくないでしょう。

確かにセット割はお得です。しかし、契約先をよく吟味しないと、かえって損してしまうこともあるので気を付けてください。

例えば、IIJmioユーザーがIIJmioひかりを契約するとセット割の「mio割」が適用され、IIJmioひかりの月額料金が660円安くなります。

【割引適用前】

–	ファミリータイプ （IIJmioひかりの戸建てプラン）	ギガプラン （IIJmioの音声付きプラン）	合計金額
月額料金	5,456円	850円	6,306円

【割引適用後】

–	ファミリータイプ （IIJmioひかりの戸建てプラン）	ギガプラン （IIJmioの音声付きプラン）	合計金額
月額料金	4,796円	850円	5,646円

mio割の適用により、ファミリータイプの月額料金が4,796円になりました。スマホ代と合わせると月額5,646円です。

ところが、他社のenひかりという光回線では、なんと割引なしで戸建てプランを4,620円で提供しています。IIJmioユーザーがenひかりを契約した場合の月額料金を計算してみましょう。

【enひかりを契約した場合】

–	戸建てプラン （enひかり）	ギガプラン （IIJmioの音声付きプラン）	合計金額
月額料金	4,620円	850円	5,470円

IIJmioひかりを契約してmio割を適用した場合よりも月額176円安いですね。小さな違いに見えますが、1年間では2,112円もの差になります。

セット割は魅力的なサービスですが、それだけに囚われていると、本当にお得な他社のサービスを見逃してしまうかもしれません。注意してくださいね。

注意点③：新築戸建ては開通までに時間がかかることも

新築の戸建てに住む予定の方は、引っ越しの3ヶ月前から光回線の手続きを始めましょう。

新築に光回線を引く場合、事前にお住いの自治体に「新築届」を提出して住所を確定させる必要があります。この手続きは、ハウスメーカーや工務店が着工前に対応してくれるケースが多いのですが、ときには忘れられてしまうこともあるようです。念のため、工事担当の方にお願いしておきましょう。

また、NTTへの「住所登録」も必須です。この手続きを行わないと、回線工事の担当者がどの電柱から光ファイバーケーブルを引くべきか判断できません。新築届の受理後、すぐに住所登録の手続きを行いましょう。

なお、回線工事後に実施する開通テストは、住居に電気が通っていない状態では行えません。そのため、電気工事の終了後に回線工事を行うよう日程を調整する必要があります。

新築の戸建てに引っ越す予定の方は注意してくださいね。

戸建てで光回線を選ぶ際のポイント

戸建て住宅にお住いの方が光回線を選ぶ際、見るべきポイントは以下の6つです。

ポイント①：月額料金

当然ながら、光回線の契約後は毎月一定額の利用料を請求されます。

戸建てプランの月額料金の相場は5,000円～6,000円です。優秀な光回線ほど月額料金も高くなる傾向にありますが、家計の状況を鑑みて、無理なく支払っていけるサービスを選びましょう。

ポイント②：通信速度

実は、光回線には大きく分けて3つの種類があり、それぞれ通信速度の傾向が異なります。

光回線の種類

CMなどでお馴染みのドコモ光やソフトバンク光は、光コラボ系のサービスに該当します。フレッツ光と光コラボ系サービスは同じ通信回線を使っているため、対応エリアや通信速度も同じです。

一方、フレッツ光や光コラボとは違う回線を利用している「その他」の光回線は、通信エリアや通信速度もこれら2つと大きく異なります。「その他」に該当する主な光回線は、auひかりやNURO光など。

フレッツ光とドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、NURO光の通信速度を比較してみましょう。

光回線の種類	光回線	最大通信速度（下り/上り）	実測値（下り/上り）
フレッツ光	フレッツ光ネクスト	1Gbps/1Gbps	267.82Mbps/267.82Mbps
光コラボ	ドコモ光	1Gbps/1Gbps	271.2Mbps/229.31Mbps
	ソフトバンク光	1Gbps/1Gbps	316.14Mbps/236.22Mbps
その他	auひかり	1Gbps/1Gbps	493.91Mbps/455.54Mbps
	NURO 光	2Gbps/1Gbps	494.3Mbps/464.29Mbps

参考：みんなのネット回線速度(みんそく) | 速度比較が出来る通信速度測定サイト

フレッツ光と光コラボに該当する2社は、通信速度がほぼ同じですよね。これに対し、「その他」の2社は明らかに速度が違います。

光回線を選ぶ際、通信速度を重視したい方は、この「その他」に該当するサービスに注目すると良いでしょう。

ポイント③：提供エリア

上でも簡単に触れましたが、サービスの提供エリアも光回線の種類ごとに異なります。

フレッツ光と光コラボ系サービスは同じ回線を使っているため、提供エリアも同じです。基本的に全国各地で契約することができます。

一方、「その他」の光回線は提供エリアを限定しているものが多いため、注意が必要です。例えばauひかりのホームタイプ（戸建てプラン）は、山梨県を除く東海甲信地方や関西地方、沖縄県では使えません。

また、上でも触れましたが、NURO光の提供エリアは以下の地域のみです。

どれだけ魅力的なサービスであっても、提供エリア外のものは契約できません。

ポイント④：スマホとのセット割引

光回線には様々なものがありますが、中には特定のキャリアや格安SIMのスマホユーザーに対して、毎月のスマホ代などが安くなる「セット割」を提供しているところもあります。

光回線の月額料金が割引されるケースは稀ですが、スマホ代は約1,000円安くなることも。トータルでの通信費を節約できるため、セット割の条件に当てはまる方は積極的に活用しましょう。

例えばドコモユーザーの方は、ドコモ光を契約するとセット割の対象になります。また、auユーザーはauひかり、ソフトバンクユーザーはソフトバンク光を契約することで、セット割の適用が可能です。

スマホ割は必ず使わなければいけないものではありません。しかし、通信費をできるだけ安く抑えたい方は、スマホの契約先に合わせて光回線を選ぶのがおすすめです。

ポイント⑤：工事の有無

光回線は回線工事を行わなければ利用できません。工事費の相場は15,000円～40,000円ほど。気軽に払える金額ではありませんよね。

しかし、戸建て住宅にお住いの方で、以下どちらかのケースに該当する場合、回線工事は不要です。

ただし、上記の条件を満たしていても、プロバイダーや契約内容によっては工事が必要になる場合もあります。

例えば、室内にある光コンセントがauひかり専用のものだった場合、フレッツ光や光コラボ系の光回線では利用できません。改めて工事が必要になります。

ポイント⑥：キャンペーン

多くの光回線がお得なキャンペーンを実施しています。キャンペーンの内容次第では、一見安そうなA社よりも、割高に見えるB社を契約した方がお得になる可能性も。

光回線を選ぶ際は、キャンペーンページにもよく目を通してください。

なお、光回線では新規契約者に対してキャッシュバックをよく実施していますが、このようなキャンペーンは現金を受け取れなければ意味がありません。契約前に、キャッシュバックの受け取り方についてもよく確認しておきましょう。

戸建てで契約するならコレ！おすすめ光回線6選

戸建てにお住いの方におすすめの光回線を6つご紹介します。

開通時の回線工事費は、楽天ひかりのみ無料にならないため注意してください。一方、ドコモ光は工事費完全無料で、その他の光回線の工事費は実質無料（工事費分の割引が毎月適用される）になります。

ただし、楽天ひかりでは、月額料金が1年間0円になる強力なキャンペーンを実施中です。詳しくは後ほど解説します。

auひかり

上で解説した光回線の分類のうち、「その他」に該当するauひかり。au独自の回線とNTTの「ダークファイバー」を使っており、通信速度の速さに定評があります。

ダークファイバーは、フレッツ光や光コラボが普段使っていない予備回線にあたるものです。メイン回線である「ライトファイバー」よりも利用者数が少なく、混雑しにくいと言われています。

また、auやUQモバイルのスマホを使っている方はセット割の対象に。スマホの月額料金が毎月最大1,100円割引になります。

セット割	割引対象者	最大割引額（月額）
auスマートバリュー	auユーザー	1,100円
UQ mobile自宅セット割	UQモバイルユーザー	858円

ただし、auひかりのホームタイプは、山梨県を除く東海甲信地方や関西地方、沖縄県では使えないので注意してください。

ソフトバンク光

ソフトバンクが運営している光コラボ系のサービスです。

ソフトバンクやワイモバイルのスマホユーザーは、セット割が適用されます。毎月のスマホ代が最大1,188円割引されるため、とてもお得です。

セット割	割引対象者	最大割引額（月額）
おうち割 光セット	ソフトバンクユーザー	1,100円
おうち割 光セット（A）	ワイモバイルユーザー	1,188円

なお、ソフトバンク光は正規代理店のNEXT経由で契約するのがおすすめです。

現在NEXTでは、3つの特典の中から好きなものが選べるお得なキャンペーンを実施しています。

キャンペーンの適用条件は特典によって異なりますが、いずれも簡単にクリアできるものばかりです。

ドコモ光

ドコモが運営している光コラボ系のサービスです。

ドコモのスマホユーザーが契約すると「ドコモ光セット割」が適用され、スマホ代が月額最大1,100円割引されます。また、ドコモのスマホを使っている家族と「ファミリー割引」グループを組めば、グループに属する全員がドコモ光セット割の割引対象に。

ただし、ahamoユーザーはドコモ光セット割の割引対象外のため注意してください。

ドコモ光は代理店のGMO とくとく BBで契約するのがおすすめです。最大35,500円のキャッシュバックを実施しています。

これほどまでに高額なキャッシュバックを用意しているのはGMO とくとく BBだけです。ドコモ光をお得に利用したい方は、GMO とくとく BB経由で契約しましょう。

楽天ひかり

楽天のサービスをよく使う人や楽天モバイルユーザーには、光コラボ系サービスの楽天ひかりがおすすめです。楽天モバイルとセットで契約することで、楽天ひかりの月額料金が1年間0円になります。

また、楽天ひかりを契約すれば、楽天スーパーポイントの還元率が＋1倍になるため、楽天市場でのお買い物がよりお得に。

世の中には数えきれないほどのポイントシステムが存在しますが、利用するサービスはできるだけ1つのものに絞った方が節約効果は高くなるものです。「楽天経済圏」の方には、楽天ひかりが一押しです。

ビッグローブ光

BIGLOBEモバイルユーザーにおすすめの光コラボ系サービスです。セット割により、月額料金がBIGLOBEモバイルは220円割引、ビッグローブ光は1年目のみ3,300円割引になります。

また、すべての契約者に用意されている選べる特典も魅力的です。

選べる特典

キャッシュバックは課金開始月を1ヶ月目として11ヶ月目にもらえます。

NURO光

ソニーネットワークコミュニケーションズが運営する、「その他」タイプの光回線です。

auひかりと同じく、独自回線とNTTのダークファイバーを使用しています。通信速度がとても速いため、速度重視派の方におすすめのサービスです。

ただし、対応エリアが非常に限られている点には注意してください。

NURO光には様々な代理店がありますが、最もお得なのはNURO光公式サイトからの契約です。他社の違約金をキャッシュバックで最大20,000円還元するキャンペーンを実施していますし、「NURO でんき」や「NURO ガス」などに同時申し込みすれば、キャッシュバックが増額されます。

戸建てで光回線の工事ができないケース2つ

自宅周辺の環境によっては、光回線の工事ができない場合があります。その代表的なケースが以下の2つです。

自宅の近くに電柱があるか

光ファイバーケーブルは、建物の近くにある電柱から引っ張ってきます。そのため、そもそも建物のそばに電柱がないと、ケーブルを引き込むことができません。

それでも光回線を使いたい場合は、自宅の近くに電柱を設置することになります。その費用は10万～30万円。さすがに高額ですから、可能であれば光回線以外の手段を検討することをおすすめします。

隣家から許可がもらえない場合も

電柱から光ファイバーケーブルを引っ張ってくるとき、隣家の上を通さなくてはいけない場合、その家の許可が必要になります。

隣家への許可取りは業者が行ってくれるため、ユーザーが何かする必要はありません。しかし、隣家の許可が下りなかった場合、光回線の工事は中止となります。

光回線用のケーブルといえど、自宅の真上に電線が通るのは、あまり気分の良いものではありません。また、見た目だけの問題ではなく、隣家の生活に何らかの支障が出る可能性もあります。

工事の許可がもらえなかった場合は、光回線以外の手段を検討した方が良いでしょう。

光回線の代わりに！戸建てにおすすめホームルーター4選

光回線の契約が難しい方には、ホームルーターが適しています。ここではおすすめのホームルーターを4つご紹介します。

ドコモ home 5G

下り最大4.2Gbpsの通信速度を誇る、ドコモのホームルーターです。

ドコモのスマホユーザーが契約すると「home 5G セット割」の対象になり、スマホの月額料金が永年最大1,100円割引になります。

端末代金は39,600円と高額ですが、36回の分割払いを適用すれば実質0円に。3年以上使う予定の方は、端末代金を気にする必要はありません。

なお、現在の最新機種はhome 5G HR01ですが、2023年2月以降に新機種のhome 5G HR02の発売が予定されています。

GMOとくとくBB WiMAX

GMOとくとくBB WiMAXは、GMOインターネットグループ株式会社が運営しているWiMAXプロバイダーです。

独自回線のWiMAX2+の電波に加え、auの4G LTE/5Gも利用できます。au 4G LTEの人口カバー率は99.9％※。山間部など、全国各地で通信が可能です。

GMOとくとくBB WiMAXでは他社からの乗り換えユーザー限定で、最大49,000円のキャッシュバックを実施しています。現在、他社のインターネット回線を契約中で、違約金の負担がネックで乗り換えを躊躇っていた方にぴったりのサービスです。

※ 人口カバー率は国勢調査に用いられる約500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアをもとに算出。(2020年12月末時点、KDDI調べ)

シンプルWiFi

WiMAXのホームルーターをレンタルできるサービスです。利用できる端末や通信品質は、通常のWiMAXと変わりません。

シンプルWiFiの特徴は、料金システムがシンプルであること。月額料金はずっと変わりませんし、端末代も0円です。また、違約金0円で解約できます。

料金システムが複雑なサービスは契約したくない方や、WiMAXのWiFiルーターをレンタルで利用したい方におすすめのサービスです。

モバレコエアー

モバレコエアーは、ソフトバンクと株式会社グッド・ラックのアライアンス契約により誕生したWiFiサービスです。ソフトバンクの回線を利用するホームルーター「ソフトバンクエアー」を、「モバレコエアー」として販売しています。

モバレコエアーとソフトバンクエアーは同じ回線を使っているため、通信品質はまったく同じです。しかし、モバレコAirで契約することで代理店独自の割引が適用され、ソフトバンクエアーよりも安くホームルーターを使うことができます。

また、ソフトバンクやワイモバイルユーザーは「おうち割 光セット」の対象に。ソフトバンクユーザーなら月額最大1,100円、ワイモバイルユーザーなら月額最大1,188円もスマホ代が安くなります。

まとめ：戸建て住宅には光回線やホームルーターがおすすめ

戸建て住宅にお住いの方が光回線を選ぶ際、見るべきポイントは以下の6つです。

なお、新築戸建ては光回線の開通までに時間がかかる可能性があるため、注意してください。お住いの自治体に「新築届」を提出したり、NTTへ「住所登録」の申請をしたりといった手続きが必要になるためです。引っ越しの3ヶ月前から、少しずつ進めていきましょう。

戸建て住宅で光回線の導入を考えている方は、本記事を参考に、ご家庭に合ったサービスを契約してください。